新社会人よ、あっさりと転職するな!
新社会人よ、あっさりと転職するな!
~「濡れた子犬」作戦で先輩に学べ~ 3~5年は就職した会社でがんばれ
今年の新卒採用は企業の採用枠の拡大で、売り手市場になり、久々に学生の皆さんにも笑顔が戻ったことと思う。
新社会人の門出に際して、私がいいたいのは少なくとも3年から5年くらいは就職した会社でがんばった方がいいということだ。
転職するなとはいわない。 だが、会社から見ると、高校卒業でも大学卒業でも新卒社員というものは1年間ほどは利益を生まない。それで、給料を払い、研修などを受けさせるのだから、大赤字だ。そうした会社側の立場も理解して、まず3年は一所懸命がんばって、少しでも早く利益を生み出すべきだろう。やめるのはその後でいい。
実は、私が初めて社会に出たとき、毎日、腹が立って仕方がなかった。ともかく理不尽なことだらけなのだ。
先輩から「社会人になったら酒くらい飲めないとダメだ」といわれ、バーに連れて行かれて、ウイスキー9:水1の濃い水割りを飲まされたことがある。2杯半飲んだところで、フラフラになり、トイレに行く途中の階段で意識を失い、下まで転がり落ちた。
係長にも毎日のように赤提灯に連れて行かれて、下らない愚痴を聞かされた。土日というと、引っ越しの手伝いに引っ張り出されたり、好きでもないゴルフに付き合わされたり、なぜ毎日の生活をこんなに縛られなければならないのかと怒り狂っていた。
会社は給料もくれるビジネススクール
社会や会社というのはなんと矛盾に満ちあふれた下らない場なのかと苦痛の連続だったが、いまから思うと、社会人になるための勉強の時期だったのだ。あのときに学んだ我慢強さがいまも生きている。 会社というのは、授業料なしで最も実践的な勉強ができるビジネススクールだと思えばいい。タダどころか、給料までもらって、教えてもらえるのだから、係長の愚痴ぐらい大したことではない。ひょっとすると、その愚痴から会社組織の人間関係や心理が読みとれるかもしれない。 会社にはビジネスの機能がすべて詰まっている。営業、調達、経理、総務、生産などビジネスを動かす上で必須のプロセスを体験することができる。 ただし、ボーとしていては何も身につかない。特に新人時代の数年間は学ぶための最大のチャンスだ。右も左もわからない新人が先輩や上司に「教えてください」といえば、日本ではほとんどの人が何の警戒もなく、ベラベラとしゃべってくれる。 ところが、欧米ではそうはいかない。社員には個室が割り当てられ、それぞれが守秘義務を負っているし、なにより、年下だろうと何だろうと同僚はライバルなのだ。ライバルに自分のノウハウや知識を喜んで教えるわけがない。
公私の区別は稼げるようになってから
日本の新興企業などはだいぶ欧米的な文化に近づいているが、まだまだ日本人は親切でやさしい。
私はこれを「濡れた子犬」作戦と呼んでいるが、濡れた子犬のようにすり寄っていけば、同情してくれて、誰もが親切に教えてくれる。この作戦が実行できる期間は短い。私みたいなオッサンになると、もう誰も哀れにおもってはくれない(笑い)。
「まだよくわからないから最初は適当に流しておけばいいや」と思ったら、もう終わりだ。そんな態度ではいくら、教えてくれといっても先輩たちは本気になってくれない。
積極的に機会を作って、社内のいろいろな人に取材やインタビューを行い、会社という仕組みやおカネがどのように回っているのか。人間関係はどうなっているのか。情報はどのように流れているのか、見極められるようになったら、そのまま会社に居続けても役に立つし、仮に転職しても、そのノウハウは活用できる。
最近は公私の区別をきっちりとつけて、「就業時間以外は僕の時間なので、飲みにはいきません」などとはっきり誘いを断る若い人もいるようだが、そんなセリフはちゃんとカネを稼げるようになってからいうべきだろう。
自分の意見を持ち、臆せず上にものをいうのはいいが、「私」で学ぶ「公」も少なからずあるのだ。新人のうちはヘタに公私など分けずに、すべてを勉強の機会と思って、赤提灯の愚痴にも付き合った方がいい。絶対に損にはならないはずだ。
~「濡れた子犬」作戦で先輩に学べ~ 3~5年は就職した会社でがんばれ
今年の新卒採用は企業の採用枠の拡大で、売り手市場になり、久々に学生の皆さんにも笑顔が戻ったことと思う。
新社会人の門出に際して、私がいいたいのは少なくとも3年から5年くらいは就職した会社でがんばった方がいいということだ。
転職するなとはいわない。 だが、会社から見ると、高校卒業でも大学卒業でも新卒社員というものは1年間ほどは利益を生まない。それで、給料を払い、研修などを受けさせるのだから、大赤字だ。そうした会社側の立場も理解して、まず3年は一所懸命がんばって、少しでも早く利益を生み出すべきだろう。やめるのはその後でいい。
実は、私が初めて社会に出たとき、毎日、腹が立って仕方がなかった。ともかく理不尽なことだらけなのだ。
先輩から「社会人になったら酒くらい飲めないとダメだ」といわれ、バーに連れて行かれて、ウイスキー9:水1の濃い水割りを飲まされたことがある。2杯半飲んだところで、フラフラになり、トイレに行く途中の階段で意識を失い、下まで転がり落ちた。
係長にも毎日のように赤提灯に連れて行かれて、下らない愚痴を聞かされた。土日というと、引っ越しの手伝いに引っ張り出されたり、好きでもないゴルフに付き合わされたり、なぜ毎日の生活をこんなに縛られなければならないのかと怒り狂っていた。
会社は給料もくれるビジネススクール
社会や会社というのはなんと矛盾に満ちあふれた下らない場なのかと苦痛の連続だったが、いまから思うと、社会人になるための勉強の時期だったのだ。あのときに学んだ我慢強さがいまも生きている。 会社というのは、授業料なしで最も実践的な勉強ができるビジネススクールだと思えばいい。タダどころか、給料までもらって、教えてもらえるのだから、係長の愚痴ぐらい大したことではない。ひょっとすると、その愚痴から会社組織の人間関係や心理が読みとれるかもしれない。 会社にはビジネスの機能がすべて詰まっている。営業、調達、経理、総務、生産などビジネスを動かす上で必須のプロセスを体験することができる。 ただし、ボーとしていては何も身につかない。特に新人時代の数年間は学ぶための最大のチャンスだ。右も左もわからない新人が先輩や上司に「教えてください」といえば、日本ではほとんどの人が何の警戒もなく、ベラベラとしゃべってくれる。 ところが、欧米ではそうはいかない。社員には個室が割り当てられ、それぞれが守秘義務を負っているし、なにより、年下だろうと何だろうと同僚はライバルなのだ。ライバルに自分のノウハウや知識を喜んで教えるわけがない。
公私の区別は稼げるようになってから
日本の新興企業などはだいぶ欧米的な文化に近づいているが、まだまだ日本人は親切でやさしい。
私はこれを「濡れた子犬」作戦と呼んでいるが、濡れた子犬のようにすり寄っていけば、同情してくれて、誰もが親切に教えてくれる。この作戦が実行できる期間は短い。私みたいなオッサンになると、もう誰も哀れにおもってはくれない(笑い)。
「まだよくわからないから最初は適当に流しておけばいいや」と思ったら、もう終わりだ。そんな態度ではいくら、教えてくれといっても先輩たちは本気になってくれない。
積極的に機会を作って、社内のいろいろな人に取材やインタビューを行い、会社という仕組みやおカネがどのように回っているのか。人間関係はどうなっているのか。情報はどのように流れているのか、見極められるようになったら、そのまま会社に居続けても役に立つし、仮に転職しても、そのノウハウは活用できる。
最近は公私の区別をきっちりとつけて、「就業時間以外は僕の時間なので、飲みにはいきません」などとはっきり誘いを断る若い人もいるようだが、そんなセリフはちゃんとカネを稼げるようになってからいうべきだろう。
自分の意見を持ち、臆せず上にものをいうのはいいが、「私」で学ぶ「公」も少なからずあるのだ。新人のうちはヘタに公私など分けずに、すべてを勉強の機会と思って、赤提灯の愚痴にも付き合った方がいい。絶対に損にはならないはずだ。