今回のサミットで重要な議題は、地球温暖化の問題であった。ドイ
ツや欧州は風力発電やリサイクル、排気ガス取引市場で一歩先を行
くために、温暖化問題関連で経済上の利益を得る可能性が高い。
また、京都議定書が失効する2012年以降の排出ガスの削減に
ついて、主要国が多国間協定の締結に向かわなければ、地球の温暖
化は悲劇的な結果になる。
そして、サウジアラビアの国内生産の半分を頼る世界最大ガワール
油田の石油産出量が減少して、石油生産量は今後大きく削減する状
態になることが分かっている。このため、石炭火力が再度盛んにな
る可能性がある。石炭は石油よりCO2を沢山出す。
G8の米国やオブザーバの中国は電力やエネルギーの60%以上を
今も石炭で賄っているために、排ガス規制を掛けられると経済的な
制約が出ると反対している。
しかし、米国のハリケーンも地球温暖化で強力になり、多大な被害
をメキシコ湾岸地域に与えていることで、米国民意識も変化してき
ている。それと、排気ガス減少をしない米企業の活動を欧州では制
限する方向である。このため、米企業や米国の各州でも排気ガス減
少の独自制限を設けて努力するようになっている。
このような状態の中で、このサミットでは「すべての主要国による
削減の枠組みで、二〇五〇年までに地球規模の温室効果ガスの排出
を少なくとも半減させるよう真剣に検討する」ことで合意した。
京都議定書の枠組みを離脱していた最大排出国の米国が、次期枠組
みには参加することが決まった。米国の参加がなければ、ポスト京
都の交渉自体がほとんど意味を失う。この事態だけは回避できた。
次期枠組みは、〇九年までに国際合意を目指すと期限を切った。
中国も次期枠組みへの参加をしてほしいですね。しかし、中国は発
展途上国と組んで、反対をするはず。経済的に損だからである。
しかし、日本は次期枠組みができると有利な位置にいることになる。
原子力発電、省エネ技術、電気自動車、たんぱく質合成など日本企
業が得意分野がますます注目されることになる。
温暖化問題でも裏にも、各諸国は経済的に損か得かの駆け引きをし
ている。米国がイラク戦争に負けることが明らかになり、イラクの
石油が手に入らなくて、次世代戦略を変更してきている。また、ゴ
アが出てきたことで分かる。米国は次世代戦略で苦しんでいる。
しかし、米国の戦略変更により、世界の枠組みも変化する。
その観点を忘れずに!!
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