Saturday, June 30, 2007

北朝鮮問題を交渉カードという面から見直すとどうなるか検討しよ

米国のヒル国務次官補は、日本を抜きに4ケ国協議をして事態を進
展させようとしている。米国のチェイニー副大統領と日本がヒル次
官補の邪魔をしていたが、それを除外したので、とうとう自分の思
いとおりになると見た。

しかし、交渉進展でヒル次官補の思い通りにはなっていない。
なぜか?

米国の交渉進行の役割は、BDAから資金を送金した時点で終わっ
ている。米国は、今後の交渉進展で何かの恩恵を北朝鮮に与えられ
るかというと、あまりない。交渉カードがない。そこをヒル次官補
は認識不足である。

米国は北朝鮮に敵国指定を外すぐらいで、大きなメリットを北朝鮮
に与えられない。中国は軍隊を国境線に10万以上張り付けて、北
朝鮮の内部で混乱があったときに、直ぐに侵攻できるようにしてい
る。北朝鮮の安全保障を握っている。中国は不の交渉カードである。
国境貿易を止めることも不の交渉カードで、交渉進展の切り札カー
ドではない。

韓国は生きるぎりぎり程度の経済的な援助をして、北朝鮮が崩壊し
ての統一を阻止することを狙いとしている。このため、毎年の援助
は100億円程度であり、北朝鮮経済を浮上させるような金額では
ない。交渉カードにはなるが、大きな進展を得ることはできない。

しかし、ヒル次官補が排除しようとする日本は、2兆円以上の経済
援助を行うと宣言している。2兆円以上の日本からのODAで中国
も韓国も経済的な発展を成し遂げている。

この2ケ国は日本のODAのすばらしさを実感している。ODAと
ともに日本企業が進出して、地元企業を育成する。徐々に地元企業
に技術移転している。東南アジアや中国が工業化を果たすのは、日
本企業の技術移転によっている。

このため、韓国も中国もヒル次官補の提案である4ケ国協議を拒否
し、日本を参加させる6ケ国協議を提案している。北朝鮮との交渉
を進展させるには日本が必要と認識している。北朝鮮も2兆円の経
済援助がほしいために、拉致被害者の再調査を金正日書記長は指示
を出すことになる。世界第2位の経済大国の実力を日本人は見失う
ことがあるが、周辺諸国は日本の実力を知っている。

しかし、北朝鮮軍部は急速な米国との平和を望まないし、日本の朝
鮮総連締め付けに反対している。このため、協議の進展を阻止する
ためと、日本の朝鮮総連締め付け反対で、日本海に弾道ミサイルを
発射することになる。

やっと、北朝鮮から日本へのミサイル発射の根拠が出てきた。北朝
鮮の金づる朝鮮総連を日本は数々の問題で追いつめ、じり貧状態に
している。このため、日本に対して歯ぎしりしている。

北朝鮮の軍部は、総連締め付けをする日本を狙うことになる。そし
て、日本は反戦的な国民世論上から反撃してこないと読んでいる。
北朝鮮軍部は日本の自衛隊を張子の虎というより、張子の猫と見て
いるようだ。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home