小泉後を睨んだ胡錦涛戦略
小泉後を睨んだ胡錦涛戦略
胡錦涛戦略を「相手の内部分裂を誘い、相手の力を弱め、自己の
力の影響力下に相手を誘い込み、間接的または直接的に相手を支配
できる状態にする」と想定して現状の中国外交を考察してみる。
まず、台湾の状況は完全にこれに当てはまる。独立志向の台湾の
現政権は、胡錦涛にとっては敵対勢力である。そこで取った具体策
が、恫喝後に敵対する現政権以外への微笑み外交による相手内部の
分裂策だ。恫喝政策の一つが「反国家分裂法」で、二つ目が台湾企
業への踏み絵だ。これだけの恫喝をすると相手側が全て敵対勢力に
なる。ところが、民主主義国家である台湾は独立志向の現政権と現
政権の政策に反対する在野勢力が存在する。この在野勢力を味方に
することを目的に在野勢力首脳を北京へ招き、微笑み外交を展開を
した。この政策と合わせ、恫喝により経済的に大陸中国に依存した
状況を認識している大衆の動揺を誘い、選挙において在野勢力への
支持へと誘導した。今回の台湾での選挙結果は、胡錦涛戦術が成功
したと中国首脳は判断するだろう。
次に「東アジア共同体」はASEA+日中韓と限定させることに
よって簡単に完成する。そのわけは、米国を追い出した空白地帯と
しての東アジアなら、
■中国の軍事力は日本を除く諸国の軍事力を圧倒している。軍事
演習や小さな小競り合いを利用して、無言・有言の圧力を自在にか
けられる。また、日本の軍事力は核戦力を欠く上、第二次世界大戦
の後遺症と憲法の制約から東アジアでの軍事力を単独で展開するこ
とはあり得ない。
■拡大する中国との貿易の利益を恣意的に利用することにより圧
力をかけることができる。この場合、日本と東アジア諸国との間に
は大きな貿易が存在するが、飛躍的拡大はあり得ない。これに引き
替え、新規参入する中国は拡大する中国市場へのアクセスをコント
ロールすることで圧力をかけることが可能である。
つまり、軍事、経済とも支配できる。それ故に、米国を除外する
のと同じく経済が急激に拡大するインドの参画を排除するのである。
最後に、日本を対象に考察する。あからさまな恫喝政策は逆効果
になることを理解している。採用した戦術が「靖国」を踏み絵にす
る事により日本国内の敵対勢力を分断することから始めた。その手
順は、
■中国側から日中間の問題は「靖国」問題が解決すれば全てなく
なるような雰囲気を流した。
■日本のマスコミに小泉首相の靖国参拝だけを抜き出したアンケ
ート調査をさせ、日本人の過半数が日本側の対策による問題解決を
支持している結果を出させた。
■味方勢力の拡大するために経済界首脳を招き、微笑み外交を実
施した。
■小泉首相は来年9月をもって退陣する。反日デモでは一枚岩だ
った次期首相候補者たちを「靖国」という踏み絵により分断する。
■靖国参拝をする政治家(外務大臣を含む)とは、今後一切会わ
ず異常な状態をわざと続ける。原因を日本側の靖国問題だけにすれ
ば、多くの日中間の問題を隠蔽できる。
この戦術はある意味成功するだろう。来年9月に向けて権力闘争
が激しくなれば、日本の政治家は色々なスタンドプレイをする。結
果として、中国側から見れば、敵対勢力の分断に成功することにな
る。その後、中国がコントロールのしやすい政権になれば、微笑み
外交行を展開し、まるで多くの問題が解決してような時期を作り出
す事により、日本の対中直接投資を拡大させる。また、日本からの
投資は、海外からの投資に依存した現在の中国経済の成長には欠か
せない。投資額が累増すれば、投資を人質にして経済的に中国の意
向に逆らえないようにできる。
この期間、米国は民主党政権でクリントン時代と同じく自国経済
の短期利益を追求し、安全保障政策は後退させるだろう。米国は、
日本より中国を重視した政策(中国利権の独占)を採用するだろう。
中国は経済取引で米国や欧州を優遇し、日本を焦らせることにより
日米離反策を簡単に実行できる。この場合、軍事的圧力は逆効果に
なるので当分は東シナ海ガス田以外では実施しないだろう。この日
中小康状態に対し、多くの外交専門家は小泉政権時代より中国と友
好的になった事は、日本の外交的成果と言うかもしれないが、時系
列で考えれば中国の戦略に落ちただけだ。
以上のように考察した結果より、対策を考えると以下のようにな
る。
■台湾が政治・経済で孤立しないようにする。政治・経済的に独
立した自由な台湾を保証し、中国との統一は台湾人が決めることが
できる環境をつくる。
■「東アジア共同体」は、現状のままでは実現させない。条件は
インド、オーストラリアの参加が絶対条件であると共に、日本の憲
法の制約がとれ安全保障の提供を米国と一帯になって可能になる次
期まで引き延ばす。その間は、経済関係においてFTAを優先的に
締結する。さらに、ODA投資先としてインド及びインドシナ半島
の海側から行う。
■日本国内の政治家が今後、中国首脳と会談する場合は靖国以外
の問題を中心テーマとして取り上げる。この場合、事前にテーマを
マスコミ発表してから会談に臨まないとマスコミに靖国問題だけを
取り扱ったように報道され、格好の餌食になるので注意が必要であ
る。
以上は一方的考察だとは思うが、戦略とは極端なケースを想定し
て考えると見えてくることがる。まして、これは政治首脳による戦
略だ。広い意味でのハード・ソフト戦略の考察は抜きにしてある。
また、台湾問題は胡錦涛主席の直轄事項であることから、胡錦濤の
立場は強くなったとも解釈できる。
胡錦涛戦略を「相手の内部分裂を誘い、相手の力を弱め、自己の
力の影響力下に相手を誘い込み、間接的または直接的に相手を支配
できる状態にする」と想定して現状の中国外交を考察してみる。
まず、台湾の状況は完全にこれに当てはまる。独立志向の台湾の
現政権は、胡錦涛にとっては敵対勢力である。そこで取った具体策
が、恫喝後に敵対する現政権以外への微笑み外交による相手内部の
分裂策だ。恫喝政策の一つが「反国家分裂法」で、二つ目が台湾企
業への踏み絵だ。これだけの恫喝をすると相手側が全て敵対勢力に
なる。ところが、民主主義国家である台湾は独立志向の現政権と現
政権の政策に反対する在野勢力が存在する。この在野勢力を味方に
することを目的に在野勢力首脳を北京へ招き、微笑み外交を展開を
した。この政策と合わせ、恫喝により経済的に大陸中国に依存した
状況を認識している大衆の動揺を誘い、選挙において在野勢力への
支持へと誘導した。今回の台湾での選挙結果は、胡錦涛戦術が成功
したと中国首脳は判断するだろう。
次に「東アジア共同体」はASEA+日中韓と限定させることに
よって簡単に完成する。そのわけは、米国を追い出した空白地帯と
しての東アジアなら、
■中国の軍事力は日本を除く諸国の軍事力を圧倒している。軍事
演習や小さな小競り合いを利用して、無言・有言の圧力を自在にか
けられる。また、日本の軍事力は核戦力を欠く上、第二次世界大戦
の後遺症と憲法の制約から東アジアでの軍事力を単独で展開するこ
とはあり得ない。
■拡大する中国との貿易の利益を恣意的に利用することにより圧
力をかけることができる。この場合、日本と東アジア諸国との間に
は大きな貿易が存在するが、飛躍的拡大はあり得ない。これに引き
替え、新規参入する中国は拡大する中国市場へのアクセスをコント
ロールすることで圧力をかけることが可能である。
つまり、軍事、経済とも支配できる。それ故に、米国を除外する
のと同じく経済が急激に拡大するインドの参画を排除するのである。
最後に、日本を対象に考察する。あからさまな恫喝政策は逆効果
になることを理解している。採用した戦術が「靖国」を踏み絵にす
る事により日本国内の敵対勢力を分断することから始めた。その手
順は、
■中国側から日中間の問題は「靖国」問題が解決すれば全てなく
なるような雰囲気を流した。
■日本のマスコミに小泉首相の靖国参拝だけを抜き出したアンケ
ート調査をさせ、日本人の過半数が日本側の対策による問題解決を
支持している結果を出させた。
■味方勢力の拡大するために経済界首脳を招き、微笑み外交を実
施した。
■小泉首相は来年9月をもって退陣する。反日デモでは一枚岩だ
った次期首相候補者たちを「靖国」という踏み絵により分断する。
■靖国参拝をする政治家(外務大臣を含む)とは、今後一切会わ
ず異常な状態をわざと続ける。原因を日本側の靖国問題だけにすれ
ば、多くの日中間の問題を隠蔽できる。
この戦術はある意味成功するだろう。来年9月に向けて権力闘争
が激しくなれば、日本の政治家は色々なスタンドプレイをする。結
果として、中国側から見れば、敵対勢力の分断に成功することにな
る。その後、中国がコントロールのしやすい政権になれば、微笑み
外交行を展開し、まるで多くの問題が解決してような時期を作り出
す事により、日本の対中直接投資を拡大させる。また、日本からの
投資は、海外からの投資に依存した現在の中国経済の成長には欠か
せない。投資額が累増すれば、投資を人質にして経済的に中国の意
向に逆らえないようにできる。
この期間、米国は民主党政権でクリントン時代と同じく自国経済
の短期利益を追求し、安全保障政策は後退させるだろう。米国は、
日本より中国を重視した政策(中国利権の独占)を採用するだろう。
中国は経済取引で米国や欧州を優遇し、日本を焦らせることにより
日米離反策を簡単に実行できる。この場合、軍事的圧力は逆効果に
なるので当分は東シナ海ガス田以外では実施しないだろう。この日
中小康状態に対し、多くの外交専門家は小泉政権時代より中国と友
好的になった事は、日本の外交的成果と言うかもしれないが、時系
列で考えれば中国の戦略に落ちただけだ。
以上のように考察した結果より、対策を考えると以下のようにな
る。
■台湾が政治・経済で孤立しないようにする。政治・経済的に独
立した自由な台湾を保証し、中国との統一は台湾人が決めることが
できる環境をつくる。
■「東アジア共同体」は、現状のままでは実現させない。条件は
インド、オーストラリアの参加が絶対条件であると共に、日本の憲
法の制約がとれ安全保障の提供を米国と一帯になって可能になる次
期まで引き延ばす。その間は、経済関係においてFTAを優先的に
締結する。さらに、ODA投資先としてインド及びインドシナ半島
の海側から行う。
■日本国内の政治家が今後、中国首脳と会談する場合は靖国以外
の問題を中心テーマとして取り上げる。この場合、事前にテーマを
マスコミ発表してから会談に臨まないとマスコミに靖国問題だけを
取り扱ったように報道され、格好の餌食になるので注意が必要であ
る。
以上は一方的考察だとは思うが、戦略とは極端なケースを想定し
て考えると見えてくることがる。まして、これは政治首脳による戦
略だ。広い意味でのハード・ソフト戦略の考察は抜きにしてある。
また、台湾問題は胡錦涛主席の直轄事項であることから、胡錦濤の
立場は強くなったとも解釈できる。
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